7.日常生活について
食事
ストーマをもつと、「食事制限があるの?」といった疑問を多くの方がもたれますが、基本的に食事について制限はありません。
他の病気(高血圧、糖尿病、腎不全など)で食事を制限されていないかぎり、手術前と同じ食事が楽しめます。
ですが、食品の中には 繊維がかたくて消化の悪いものや下痢をしやすいもの、ガスやにおいをおこしやすいものがあります。
これらの食品については、組み合わせや量、調理方法を工夫すれば大丈夫です。
食品のなかには、便や尿のにおいを強くしたり、ガスを多くしたりするものがありますが、食事の内容を工夫することによってコントロールすることができます。
排泄物やガスに影響を及ぼす食品
(排泄物の性状)
| かたくなりやすい |
やわらかくなりやすい |
| 米飯、里芋、もち、うどん、パンなど
|
炭酸飲料、ビール、生卵、アイスクリー
ムなど
|
(ガス)
| ガスを発生させやすい |
ガスの発生を抑える |
栗、さつまいも、山芋、豆類 大根、
カリフラワー、ネギ、エビ、 カニ、
炭酸飲料、ビールなど
|
乳酸菌飲料、ヨーグルト、パセリ、
レモンなど
|
(におい)
| においを強くする |
においを抑える |
| にら、アスパラガス、ねぎ、にんにく、たまねぎ、チーズ、カニ、エビ、卵など
|
レモン、パセリ、ヨーグルト、グレープフルーツジュース、クランベリージュースなど
|
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消臭
水分摂取
食べたものが 大腸を通らずにストーマから出てくるため、下痢状の便が多量に排泄されます。
そのため、
水分不足になったり、電解質のバランスがくずれたりしますので 十分な水分摂取を心がけましょう。
水やお茶はもちろん、ミネラルを多く含んだ水分(スポーツドリンクや昆布茶など)をとるのもよいでしょう。
フードブロッケージの予防
小腸は大腸より腸管が狭いため、消化しきれなかった食物によって、排泄物が詰まってしまうことがあります。
食物繊維を多く含んだ食品類は、一度に大量にとらず、細かく刻む、よくかんで食べましょう。
| 食物繊維を多く含む食品 |
| 玄米飯、インゲン豆、とうもろこし、ドライフルーツ、ナッツ類、トマト、ブロッコリー、きのこ類、海藻類など
|
入浴
ストーマ装具は、防水効果がありますので、装具をつけたまま入浴できます。またストーマ装具をはずして湯船につかることができます。
お湯がストーマから体内へ入ることはありませんのでご安心ください。
(入浴の方法と注意点)
基本的にどのタイプのストーマも装具をはずして湯船につかることができます。
結腸ストーマは、手術後半年程度すると排便の時間が決まってくるため、便が出ない時間帯に入るとよいでしょう。
小腸ストーマや尿路ストーマの場合、常にストーマから排泄物が出ますので、装具をつけたままの入浴をお勧めします。
(装具をつけたまま入浴する場合の注意点)
入浴前にストーマ袋内の便を捨てておきましょう。
ストーマ袋に脱臭フィルターがある場合は、脱臭フィルターからお湯が入り、フィルターの機能を低下させてしまう場合があるため、付属のシールをフィルター部に貼ります。
湯船につかったときに、ストーマ袋が浮いてしまう・気になる場合は、ストーマ袋をコンパクトにたたんでテープなどでとめておくとよいでしょう。
入浴後は、ストーマ袋がぬれていたり、不繊布などの裏張りに水がたまったりしているため、タオルで水分をよくふきとりましょう。
(温泉や銭湯など公衆浴場に入る時のポイント)
公衆浴場では、ストーマ装具をつけて入浴しましょう。
ストーマ袋が気になる場合は、入浴用の小さなストーマ袋を利用するか、使用中の装具を目立たないように、小さく折ってテープなどで止めるとよいでしょう。
周囲の目が気になる場合は、人の少ない時間帯に入浴するといった工夫や、温泉などでは部屋に家族風呂が設置されている旅館を利用してもよいでしょう。
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入浴用
衣服
ストーマを圧迫やこすらなければ、今までどおりの服装で問題ありません。おなかまわりに手が入るゆとりがあれば、着物やジーンズを着ることもできます。
旅行
国内・国外どこへでも旅行に行けます。最初は日帰りや1泊旅行から開始し、自身がついたら期間を延ばしてみましょう。
装具は旅行中に交換する予定回数よりも、
2〜3枚多めに準備しておきましょう。
電車、飛行機の席は、
トイレに近い席を確保しておくとよいでしょう。
飛行機の場合、身体障害者手帳の呈示や、ストーマ保有者であることを説明すると、優先的のトイレ近くの座席を選ぶことも可能です。
(飛行機に乗る際の注意点)
ストーマ装具はスーツケースと機内持ち込みのバッグに交換用具を一式入れます。
スーツケースに入れる場合は、装具が破損しないように購入時の箱のまま入れるか、つぶれない箱に入れましょう。
緊急時、機内のトイレでも装具を交換できるよう、機内持ち込みのバッグにウェットティッシュやビニールテープ、ビニール袋も準備しましょう。
ハサミは機内に持ち込みはできません。
スーツケースに入れましょう。
離陸、着陸時にはトイレに行き、排泄物を捨てておきましょう。
(海外旅行での注意点)
海外では日本とトイレ事情が異なる場合があります。
トイレに紙が設置されていないことや、紙を便器に流してはいけないこともあります。
旅行の前に現地のトイレ事情を調べておきましょう。
海外旅行では、スーツケースが紛失するトラブルがみられます。
装具の保管はスーツケース一つにまとめず数か所に分散する。
可能ならば同伴者の荷物にいれてもらうと安心です。
外出
外出先で不意に排泄物が漏れると慌ててしまいます。
不意の漏れに対応できるように、交換用の装具一式を携帯して出かけるようにすると安心です。
男性の場合、汚物入れのあるトイレはほとんどありませんので、チャック付きビニール袋などに入れ自宅に持ち帰って捨てましょう。
(外出用の交換装具一式)
- 装具(面板はすぐ貼れるように孔をあけておきましょう)
- 不透明なビニール袋(買い物袋など)
- チャック付きビニール袋
- ウェットティッシュ
- キッチンペーパー数枚
(オストメイト対応トイレ)
オストメイト対応トイレには、汚物流し台、手荷物用フック、シャワー、汚物入れなどの設備が整っています。
公共交通機関の施設構内、官公庁施設、デパート、ショッピングセンター、美術館、空港、高速道路パーキングエリア、病院などに設置されています。
通常のトイレの数倍のスペースがあり、ストーマ造設者の方、車椅子、高齢者、妊産婦、乳幼児づれなどさまざまな方が使用できます。
全国のオストメイト対応トイレの設置場所は、以下から検索できます。
https://www.ostomate.jp/
(自動車に乗っているときの注意点)
自動車に乗車する際は、シートベルト着用が義務づけられています。
シートベルトが ストーマにあたって気になることがありますが、ストーマを圧迫しないように注意すれば、問題なく着用できます。
心配な方はたたんだタオルをストーマの上にあてておきましょう。
運動
健康を維持するためにも、適度な運動をお勧めします。
最初は、ラジオ体操や散歩などの軽い運動から始め、徐々に運動量を上げていくとよいでしょう。
(運動するときの注意点)
格闘技などの 人と激しくぶつかるスポーツや、過度に腹圧がかかるウエイトトレーニングは、ストーマのトラブルを起こしやすくなるので避けましょう。
運動によって多量に汗をかいた場合は、ストーマ装具の粘着力が低下し、はがれやすくなっているため、通常よりも早めに装具交換をしましょう。
水泳も可能です。排泄物の処理を済ませたあと、袋を小さくたたむ。二品系装具の場合は入浴用のストーマ袋を使用しましょう。
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災害時の備え
災害はいつ起こるかわかりません。いざというときに困らないよう備えておくことが大切です。
災害の規模によって異なりますが、ライフラインが復旧し装具の給付が始まるまでの期間を1カ月と考え、ストーマ用品一式と交換用装具1カ月分を持ち運びしやすい形にして準備しておきます。
(緊急時の避難用セット)
- 装具10セット(面板はすぐに使えるように孔を開けておきます)
- ウェットティッシュ
- ガーゼ・キッチンペ−パー
- 不透明なビニール袋数枚
- チャック付き袋数枚
- 懐中電灯(ヘッドライト)
- その他アクセサリー類(必要と思うもの)
避難所などでは、水や石けんがすぐ使えず、装具交換時に皮膚を洗うことができないこともあります。
その場合は拭きとりタイプの洗浄剤や、ウェットティッシュで皮膚をふく程度の簡単なケアで過ごします。
※ストーマの種類と装具情報を携帯しておきましょう。
- ストーマの種類
- ストーマのサイズ
- 使用装具の会社名
- 製品番号
- 製品名
- 販売店の連絡先など
ストーマ外来
ストーマに関するトラブルやお悩みなどございましたら、ストーマ外来の受診をお勧めします。
- ストーマ周囲の皮膚がただれる
- 排泄物が漏れやすい
- 装具を変更したいなど
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アクセサリー類